コラム

屋根塗装の相場は?内訳や費用を安くするコツも解説!

一般的に屋根塗装の耐用年数の目安は8〜10年程といわれています。通常、壁塗装の耐用年数が10〜20年程なのに対し、屋根塗装の耐用年数が比較的短く設定されています。

理由として、壁よりも太陽や雨風にさらされやすいという点が挙げられます。屋根は壁に比べ目に付きにくいため、忘れやすいですが、壁以上に塗装時期には注意しなくてはなりません。

本記事では、屋根塗装の概要や足場代の費用目安、できるだけ費用を抑えるためのコツをお伝えします。屋根塗装を検討されている方はぜひ、参考にしてください。

屋根塗装の相場

一般的な、日本の戸建住宅の平均的な坪数は30〜40坪です。この平均坪数で屋根塗装を行う場合の相場は40万円から80万円といわれています。

相場費用に40万円の差がある理由としては、屋根の劣化状況や屋根材の種類、使用する塗料の種類、必要な作業工程などにより費用も大きく変動する点が挙げられます。

また、平均坪数が30〜40坪といっても、屋根の面積が必ずしも一定とは限りません。そのため、上述した要素のほか、屋根の面積によっても費用は大きく変動します。

塗料別の相場

屋根塗装に使われる塗料の種類は、代表的なものだけでもアクリル、ウレタン、シリコンなど多様です。

また、それぞれで耐用年数も異なるため、必ずしも費用のみで安いと思い選択しても、結果的には高くついてしまうケースも珍しくありません。そこで、ここでは代表的な塗料別の費用相場と耐用年数についてお伝えします。

アクリル

アクリル塗料を屋根塗装に利用するメリットは、重ね塗りがしやすい点、光沢があるため発色が良い点です。また、1㎡あたりの費用が1,500〜3,000円程度とほかの塗料に比べ安い点も大きなメリットといえるでしょう。

ただし、耐用年数が3〜8年程と短いため、頻繁に塗り替えが必要です。費用対効果で考えると屋根塗装にはあまりおすすめはできません。

ウレタン

ウレタン塗料を屋根塗装に使うメリットは、密着性が高くさまざまな屋根材に対応できる点、弾性があり塗膜のひび割れに強い点です。1㎡あたりの費用もアクリルほどではないものの、1,500〜2,500円程度と比較的安価になっています。

デメリットとしては、耐用年数が4〜10年程と短い点です。アクリル塗料同様、頻繁に塗り替えが必要になるため、あまり屋根塗装には向いていないといえるでしょう。

シリコン

シリコンは耐久性が高い点、汚れが付きにくい点などがメリットのため、屋根塗装にも多く使われる塗料です。さらに、紫外線に強いメリットもあるものの、ひび割れしやすく重ね塗りには向いていないデメリットがあります。

シリコン塗料の費用目安は、1㎡で1,800〜3,500円程度です。アクリルやウレタンに比べ高価なものの、耐用年数が8〜15年程と長いため、トータルではコストパフォーマンスが良い塗料といえます。

ラジカル制御型

ラジカル制御型とは、2012年に登場した比較的新しい塗料で、メリットは塗膜の耐候性が高い点、塗料成分の劣化によって起こるチョーキングを制御できる点です。また、柔軟性が高くさまざまな屋根材に対応している点も大きなメリットといえるでしょう。

ラジカル制御型塗料の費用目安は、1㎡で2,200~4,000円程度で耐用年数は10〜16年程です。ただ、新しい塗料のため、ほかの塗料と比較すると実績が少ない点は考慮する必要があります。

フッ素

フッ素塗装は、屋根塗装に使われる塗料のなかでも、耐熱性や耐候性、防汚性などが高いことから人気があります。また、フッ素の特長として親水性が高い点も挙げられ、カビや藻の発生確率を抑えられる点も高い人気を持つ理由のひとつです。

費用目安は1㎡で3,000〜5,500円で、ほかの塗料に比べ多少割高ではあるものの、耐用年数が13〜20年程と長いため、長期的にはコストパフォーマンスに優れた塗料といえます。

無機

一度塗布したらできるだけ長持ちさせたい方におすすめなのが無機塗料です。セラミックやケイ素などの無機物を配合してつくられた無機塗料は耐候性や防汚性に優れ、とくに紫外線に強く、屋根塗装に使われる塗料として高い人気があります。

耐用年数も20〜25年程とほかの塗料に比べ圧倒的に長いのもメリットですが、費用目安が1㎡で3,500〜6,000円と高額になるのがデメリットです。ただ、耐用年数で考えればコストパフォーマンスは高いといえるでしょう。

遮熱

遮熱塗料は、ラジカル制御型同様、塗料の素材ではなく効果を名前に配した塗料です。太陽光を反射し、建物内の温度を下げる効果があるとして、自治体によっては遮熱塗料を使うことで補助金が出る場合もあります。

費用目安は、3,000〜5,000円程度で耐用年数は10〜20年程です。保温効果は期待できず、経年劣化により遮熱効果も下がるものの、補助金が出る地域であれば、長期的にはお得になる可能性もあります。

工事別の相場

屋根塗装をする場合、塗料代とは別に工事にかかる費用も把握しておかなくてはなりません。ここでは、工事別の費用相場を紹介します。

高圧洗浄

屋根塗装を行う前にしっかりと塗装できるよう、屋根に付いた藻やコケ、以前の塗膜などを落とします。

ただ、普通に水洗いだけでは汚れは落ちないため、高圧洗浄を使うため、費用は、水の場合で1㎡、100〜300円程です。バイオ洗剤を使って行う場合は、1㎡で200〜400円程かかります。

養生

塗装部分以外に塗料が付かないよう、ビニールや養生テープで囲う作業です。簡単な作業に感じますが、養生がしっかりされていないと仕上がりに大きな差が出るため、重要な作業です。費用目安は1㎡で250〜400円程です。

諸経費(現場管理費・廃材処理費など)

諸経費とは、屋根塗装工事を行う際の作業員の安全確保や近隣住民への安全配慮のほか、工事の工程管理、材料・品質管理などを行う現場管理費です。

また、塗装時に余った塗料や養生テープなど廃材が出た際の処理費も諸経費に含まれます。費用目安は現場管理費が30,000〜50,000円、廃材処理費が10,000〜30,000円程です。

現場管理費は、屋根の形状や近隣住宅との近さなどによりかかる費用は大きく異なります。屋根の角度が急であったり、人通りの多い場所であったりした場合は、費用も高額になる可能性があります。

付帯塗装工事(軒天・破風板など)

付帯部とは、屋根に付帯する雨どいや軒天のほか、雨や風の吹き込み防止目的で屋根の端がへの字になっている部分に付いている板(破風板)などを指します。

屋根塗装をした場合、屋根全体の色のバランスや劣化防止を目的に付帯部分の塗装も行うのが一般的です。屋根塗装の費用に含まれる場合もありますが、個別に行う場合の主な付帯部分の費用目安は以下のとおりです。

軒天:1,000~1,500円(1㎡)
破風板:650~800円(1m)
鼻隠し(屋根の先端で雨どいが付く部分の先端箇所):600~800円(1m)
雨どい:550~3,500円(1㎡)
縁切り:500円(1㎡)

足場代の相場

屋根塗装をするには、足場を組む必要があり、足場を組む費用も把握しておかなければなりません。一般的に足場代は、まず次の計算式で足場の面積を算出します。

(家の外周+4m)×家の高さ

ただし、ここで出る4mとは、家の外壁から足場までの一般的な距離を示すものです。費用目安を見るには家によって4~10m程度まで幅を持たせておく必要があります。また、家の高さに関してもある程度プラスして算出する場合もあるため、詳しくは依頼する施工会社への確認が必要です。

足場面積を算出したら、1㎡あたり600〜1,600円程を掛け合わせたものが足場代です。使用する足場の種類によって異なります。そのほか、塗料が飛散しないように張る飛散防止ネット代として、1㎡あたり100〜200円程の費用もかかります。

屋根材別の相場

主な屋根の素材として挙げられるのは、スレート、ガルバリウム鋼板、ジンカリウム鋼板、瓦屋根などです。それぞれの屋根材により塗装面の状況も異なるため、利用する塗料の量も異なります。ここでは、屋根材別の費用目安を紹介します。

スレート屋根

スレートとは波型を意味する言葉ですが、戸建住宅では平べったい形状の板を重ね合わせたものが一般的です。軽量かつ安価なため、多くの戸建住宅で利用されています。

スレート屋根の場合にかかる塗装費用の目安は1㎡あたりウレタンで1,800〜2,500円程、シリコンで2,000〜2,700円程、フッ素で3,000~4,700円程です。平均として20,000〜30,000円程です。

なお、スレート屋根自体の耐久年数は20〜30年程ですが、メンテナンスは10〜15年程度で必要になるため、多くの場合、塗り替えもそのタイミングで行います。

ガルバリウム鋼板

サビに強いうえ、耐熱性や防水性、熱反射性などに優れたガルバリウム鋼板は、軽量で汚れも付きにくいのがメリットです。ただし、防汚性に優れているため、塗料も密着しにくくなり、塗装費用も若干割高になります。

目安としては、1㎡あたりウレタン、シリコンで2,000〜2,700円程、フッ素で3,000〜3,700円程で、2,500~4,000円程が平均です。耐用年数は25〜30年程で、メンテナンスの頻度は20年程のため、次のメンテナンスまでに2回の塗装が必要になります。

ジンカリウム鋼板

ジンカリウム鋼板は、基本的な素材はガルバリウム鋼板と変わりません。異なるのは、ジンカリウム鋼板は表面に石粒をコーティングしている点です。そのため、ガルバリウム鋼板に比べ、耐久性に優れているのが特長といえます。

また、最大の特長はコーティングされた石粒自体に着色されたうえ、高温で焼かれているため色あせることがないため、塗装を行う必要がない点です。

ジンカリウム鋼板自体の価格が高額ではあるものの、耐用年数、メンテナンス頻度も40~50年と長期的に見ればコストパフォーマンスの高い屋根材といえるでしょう。

瓦屋根

瓦屋根には、耐用年数が30〜40年程と比較的短いセメント瓦、50〜60年程の陶器瓦、50〜100年程の粘土瓦と素材により耐用年数も大きく異なります。

ただし、塗装にかかる費用目安はおおよそ同じで、1㎡あたりウレタン、シリコンで2,000〜3,000円程度、フッ素で3,300~4,000円程度、平均として2,000〜2,500円程度です。

こちらの記事では、屋根塗装に最適な時期について解説しています。塗装を行う目安や流れも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

屋根塗装費用を安く抑えるコツ

屋根塗装は、塗装自体にかかる費用はもちろん、工事費や足場代などさまざまな費用がかかります。ここでは、少しでも安く塗装費用を抑えるためのコツを紹介します。

相見積もりをとる

屋根塗装の検討を始めたら2〜3社程度で相見積もりをとりましょう。まったく同じ塗料、施工方法でも価格が大きく変わる場合があります。

ただし、見積書の内容が「塗装一式」としか書かれていない場合は要注意です。実際に工事に入ってから追加料金が発生する可能性があります。良い塗装業者を選択するポイントは、細かく質問してもしっかりとわかりやすく解説してくれる丁寧さです。

自社施工で対応している業者へ依頼する

施工業者でも自社で施工している業者と、下請業者を使っている業者がいます。下請を使っている業者の場合、仲介料が入るため、同じ工事であっても割高になってしまうケースがほとんどです。

これに対し、自社施工で行っている業者であれば仲介料が不要なうえ、間に入らないため、やり取りがスムーズに進むメリットがあります。

施工業者のWebサイトで職人の写真があるかどうかを確認する方法がおすすめです。また、施工実績や経験なども確認し、信頼できる施工業者に依頼するようにしましょう。

塗鈑瓦屋では、住宅の大きさや塗料の種類ごとの明瞭な料金プランをご用意しております。費用を調整しながら最適なプランをご提案しますので、ぜひご相談ください。

閑散期に依頼する

塗装業者の閑散期に依頼すると、繁忙期に比べ割安になる場合があります。閑散期は、梅雨時期や猛暑日が続く夏、気温が低く塗料の硬化に時間がかかる冬です。

これらの時期は依頼から完成までに時間がかかることから、依頼数も減り、安くても引き受けてもらえる可能性があります。

補助金・助成金・保険を活用する

遮熱塗料を使って塗装を行うと、省エネ効果が高いとして、自治体から補助金が出る場合があります。自身がお住まいの地域の自治体に確認し、補助金制度を使うのも塗装費用を安く抑えるコツのひとつです。

そのほか、リフォームを行う際に助成金が出る自治体もあります。これも含め、検討段階で自治体へ確認をすれば、より安く塗装を行うことも可能です。なお、補助金や助成金は申請が必要になるため、検討段階で早めに自治体に確認しておきましょう。

まとめ

戸建住宅に長く住む場合、外装のメンテナンスが欠かせません。すぐ目に付く外壁は意識しやすいですが、屋根には目がいきにくいため、放置する方も少なくありません。

しかし、屋根を放置していると劣化が早まり、雨漏りのリスク増加や断熱・遮熱効果の低下など多くのデメリットがあります。これらを防ぐ意味でも適切な塗装工事が必須です。

塗鈑瓦屋では、新潟市の屋根塗装や外壁塗装を行っています。社員全員が職人のため、施行はもちろん材料の買い付けもすべて自社で行い、適切な塗装工事の提案をいたします。

初めての屋根塗装では価格面やメンテナンス面で大きな不安があるかもしれません。そうした際でも職人による専門診断をもとにそれぞれの住宅に最適な工事を提供します。ご相談やお見積もりも無料で承っております。屋根塗装でお悩みの際は、ぜひ塗鈑瓦屋にお問い合わせください。