足場の費用はどのくらい?相場より高いケースやよくあるトラブル・対策を紹介

外壁塗装や屋根リフォームで大きな割合を占める「足場費用」ですが、相場がわからず不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実際「足場代無料」をうたい文句に、別の項目に上乗せする業者や、相場とかけ離れた見積もりによる料金トラブルも少なくありません。
本記事では足場費用の相場や、種類ごとの特徴、よくあるトラブルと対策法を解説します。これからリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
足場はなぜ必要?
外壁塗装や屋根リフォームにおいて、足場の設置は高品質な仕上がりと安全な作業環境を確保するために不可欠です。
作業員の転落防止はもちろん、足場設置により丁寧な作業を可能にし、塗料の飛散を防いで近隣への配慮にもつながります。ここでは、足場がなぜ必要なのか、その3つの重要な理由を解説します。
安全性を保つため
労働安全衛生法では、2メートル以上の高所作業では足場の設置を義務付けており、作業員の安全確保を最優先事項としています。
足場がない状態での作業は、転落事故のリスクが非常に高いです。事故が発生した場合には作業員だけでなく施主にも責任が及ぶ可能性が高いです。
足場を設置すれば作業員が安全に移動でき、作業に集中できる環境を整えられます。
安全帯を取り付ける設備も備わっているため、事故の発生リスクを下げられるのです。
※出典:中央労働災害防止協会|安全衛生センター「労働安全衛生規則第518条」(https://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-2/hor1-2-1-2h9-0.htm)
施工品質を確保するため
外壁塗装や屋根のリフォーム作業において、足場は仕上がりを左右する重要な要素のひとつです。
足場がない状態での作業は、姿勢が不安定になりやすいです。そのため、細部の塗装や補修作業でムラや不備が生じる可能性が高まります。足場があれば、職人は常に安定した体勢で作業に集中でき、塗料の均一な塗布や、屋根材の正確な設置が可能になります。
また、塗料の性能を最大限に引き出すには、均一な厚みで外壁に塗布しなければいけません。足場があれば、職人は壁面全体を均等に塗装できるため、塗膜の耐久性や美観を長期間維持できるのです。
近隣住民への配慮として
外壁塗装や屋根のリフォーム工事では、塗料やホコリ、高圧洗浄時の水しぶきなどが周囲に飛び散る可能性があります。足場とともにメッシュシート(飛散防止ネット)を張ることで、飛散物を最小限に抑え、近隣住民へ配慮した作業が可能です。
住宅密集地では近隣との距離も近いため、塗料のにおいや騒音がトラブルの原因となることがあります。足場とメッシュシートの設置は、近隣住民への配慮を示すと同時に、トラブルを未然に防ぐ対策として効果的です。
足場費用の相場・計算方法
外壁塗装の際、気になるのが足場費用です。一般的に足場費用は「足場面積 × 単価」で算出され、2階建て住宅で15〜25万円程度が相場となります。
しかし、建物の形状や立地によって費用は変動します。足場を適正価格で設置するには、相場や計算方法に加え「足場無料」の仕組みを把握しておきましょう。
足場の相場
外壁塗装に使用される足場の相場は、1㎡あたり700〜1,000円程度が一般的です。平均的な2階建て住宅(延床面積30坪程度)での使用を想定した場合、15〜25万円程度の予算が必要となります。
また、足場費用には足場板以外に必要な機材の費用も加わります。たとえば飛散防止用のメッシュシートを用いる場合、1㎡あたり150円程度の費用が必要です。
なお、紹介した費用相場は使用する足場の種類や建物の形状、立地条件などで変動します。3階建て以上の建物や、敷地が狭い、隣家との距離が近い場合などは、費用が割高になる傾向があるため、最終の見積金額は必ずチェックしましょう。
計算方法
足場費用は一般的に「足場面積 × 単価」で算出されます。さらに足場面積は「(建物の外周 + 8m)× 建物の高さ」で計算できます。
上記計算式をもとに「建物の外周40m、高さ6mの2階建て住宅」の足場費用を算出してみましょう。
・足場面積= (外周40m+8m)×高さ6m=288(㎡)
・算出した足場面積に、㎡あたりの単価を掛ける。
・単価が800円/㎡の場合「288×800円=230,400円」が足場費用となる。
なお、外周に足した8mの数字は建物の外壁と足場との距離で、業者によっても数字は異なります。
自宅に足場を設置する際の費用目安を知りたい方は、参考にしてみてください。
注意!足場は無料にはならない
足場の設置には、材料費・運搬費・人件費など、必ず費用が発生します。塗装業者のなかには「足場代無料」をうたい文句にしているところもありますが、安易に信用しないようにしましょう。
「足場代無料」を掲げる業者は、塗料代や施工費などに足場代を上乗せしている可能性があるため、複数業者で相見積もりを取り、価格を比較しましょう。業者ごとの価格差から、適正費用を見極められます。見積もりが提示された際は、不自然に費用が高い項目がないかの確認が大切です。
足場の種類
外壁塗装に使われる足場には、いくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは現場の状況や予算に応じて使い分けられる足場の種類と、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
単管足場
単管足場は、直径48.6mmの単管と呼ばれる鉄パイプを組み合わせて作る、最もシンプルな構造の足場です。メリットは、クランプと呼ばれる接続金具を使ってパイプ同士をボルトで固定するため、狭い場所や複雑な形状の建物に対応可能な点です。
一方で、強度が低くパイプ1本分の広さしか足場を確保できないため安全性に劣ります。現在では、低層の建物や短期間の工事などに採用される足場です。
単管ブラケット足場
単管ブラケット足場は、単管足場にブラケットと呼ばれる支持材を取り付け、足場板を設置したものです。ブラケットによって足場板が安定するため、単管足場よりも安全性が高いメリットがあります。
組み立てにある程度のスペースが必要であり、狭い場所では設置が難しい場合もありますが、安全性と施工性のバランスがよく、費用も比較的安価であるため、多くの現場で採用されています。
クサビ(ビケ)足場
クサビ(ビケ)足場は、一定間隔に緊結部(クサビ)がついた鋼管を支柱とし、水平材や斜材などをクサビで緊結(部材同士をきつく固定する作業)して組み立てる足場です。
最低2人で組み立て・解体可能な構造でありながら、強度や安全性も高いため、多くの現場で採用されています。
欠点は組み立て・解体時にハンマーでクサビを打ち込む関係上、騒音が発生する点です。クサビ足場を用いる際は、作業者だけでなく現場付近への影響も含めて設置を検討しましょう。
足場費用が相場より高くなるケース
足場費用は、建物の状況や周辺環境によって相場よりも高くなる事例があります。3階建て以上の建物のように、費用が割高になる具体例と理由を解説します。
3階建て以上の建物
足場費用は3階建て以上の場合、2階建ての建物に比べて割高になる傾向にあります。高所作業ではより強固な足場を組む必要があり、使用する部材の量が増えるためです。
また、高層になるほど、組み立て・解体作業に時間がかかるため、人件費も増加します。
3階建て以上の建物では安全性に優れた「枠組み足場」と呼ばれる足場を設置するのが一般的です。反面、2階建てで用いられる足場よりも単価が高くなるため、1㎡あたり200~300円程度高くなります。
敷地が狭い
敷地が狭く、隣家との距離が近い場合は費用が割高になる可能性があります。足場の設置スペースが限られる場合、特殊な足場を使用したり、人手を増やしたりするために、人件費が増加するためです。
たとえば、狭小地用の足場を使用する場合や、隣家の敷地を一部借りて足場を設置する場合など、通常の足場よりも費用が高くなる可能性があります。
また、足場を設置するスペースが十分に確保できない場合も同様です。作業効率を理由に工期が長引くと、追加費用も増加することもあります。
運搬車が現場に入れない
足場材を運搬するトラックが現場まで入れない場合、人力で運搬しなければなりません。そのため、運搬費や人件費がかさんで足場費用は割高となります。
道幅が狭い道路に面している場合や、住宅密集地でトラックの進入が困難な場合などは、とくに注意が必要です。業者に現場の状況を事前に調査してもらったあと、追加費用の有無や金額が発生していないかを確認しましょう。
よくあるトラブルと対策方法
足場工事には、トラブル対策が不可欠です。周囲の建物や車への損傷のほか、近隣住民からのクレームが出ないように備えなければいけません。
ここでは、足場工事で起こりうる主なトラブル事例と、未然に防ぐための具体的な対策方法について詳しく解説します。
建物・所有物の破損
足場設置に関するトラブルで最も多いのが、建物や所有物の破損です。
・外壁の一部や窓
・現場付近に駐車している車
・近隣の住居
足場業者は塗装業者の下請けの場合が多く、トラブル発生時に責任の所在が曖昧になり、十分な補償を受けられないケースも少なくありません。
万が一に備えて、作業を依頼する足場業者が「請負業者賠償責任保険」などの損害保険に加入しているかを確認することもトラブル回避のポイントです。
作業箇所以外の汚破損にも適用される保険であれば、より確実です。
不審者の侵入
工事期間中、足場は建物の周囲に設置されたままになるため、不審者の侵入経路として利用されるリスクがあります。夜間や長期間自宅を離れる場合は、空き巣などの被害に遭いやすくなるため、防犯対策が必須です。
・防犯センサーやセンサーライトの設置
・足場からの侵入を防げるカバーの取り付け
・窓やドアを施錠する
・貴重品は目につかない場所に保管する
住宅や家族を守るためにも、足場設置期間中の防犯対策は徹底しましょう。
隣人トラブル
足場工事の前には、近隣住民へ工事を実施する旨を伝えておきましょう。
事前説明がない場合、クレームやトラブルが発生するおそれがあります。
・騒音や振動
・塗料のにおい
・ホコリや塵で車や家が汚れる
・足場が隣家の敷地に侵入している
工事中は、トラブルの原因となる要素を最小限に抑えるよう配慮してください。万が一、苦情を受けた場合は、誠意をもって対応しましょう。
状況によっては業者と一緒に謝罪に伺うといった対応が求められる場合もあります。のちのトラブルを避けるためにも、事前説明は必ず行いましょう。
塗鈑瓦屋(とばんがや)では、住宅の大きさや塗料に合わせたパック料金をご用意しております。実際の施工箇所を確認しながらお見積もりいたしますので、ぜひご利用ください。
まとめ
外壁塗装や屋根リフォームにおいて足場は、作業員の安全確保や施工品質の維持に不可欠です。しかし「足場代無料」といった不透明な料金体系や、相場とかけ離れた見積もりを提示する業者に注意しなければいけません。
安心して工事を任せるには複数の業者から見積もりを取り、内訳や説明を比較検討したうえで、信頼できる業者に依頼しましょう。
塗鈑瓦屋(とばんがや)は、新潟市を中心に外壁塗装や屋根塗装を行っています。職人による専門診断を無料で実施し、ご契約から施工、アフターフォローまで、すべて自社職人によるワンストップ施工のため、高品質な工事でも適正価格でご提供可能です。
足場費用についてのご不安や、外壁・屋根の気になる点など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。