コラム

外壁塗装に使う塗料の種類を紹介!各耐用年数や費用も解説

外壁塗装に使う塗料の種類には、主にアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機の5つがあります。耐用年数や費用が異なるため、各塗料の特徴を押さえたうえで、適切な種類を選ぶのがポイントです。

本記事では、各塗料のメリットやデメリット、耐用年数、費用の目安をご紹介します。そのほか、外壁塗装の工法や塗料を選ぶ際のコツもお伝えするため、これから外壁塗装を検討している方はぜひ参考にしてください。

外壁塗装に使われる塗料の種類

外壁塗装には、主に5種類の塗料のいずれかが使われます。塗料によってメリットやデメリットが異なるため、特徴を押さえたうえで適切な塗料を選びましょう。ここでは、外壁塗装に使う塗料を5種類と各塗料の特徴をご紹介します。

アクリル

アクリル塗料は、主成分にアクリル樹脂を使用している塗料です。かつては外壁塗装で主に使用されてきた塗料ですが、アクリル塗料よりも耐用年数が長い塗料が使われ出したのが理由で、現在はほとんど使われなくなっています。

アクリル塗料は、ほかの塗料と比べて費用を抑えられる点がメリットです。外壁塗装が劣化しているものの、予算が少なくてできる限り安く済ませたい場合におすすめです。また、発色がよいため、技術力で仕上がりが左右されにくく、失敗するリスクを抑えられます。

ただし、ほかの塗料よりも耐久性が劣っているため、塗り替える頻度が増えてしまいます。1度の塗装では費用を抑えられたとしても、何度も塗装を繰り返すと、トータルコストがほかの塗料よりも膨らんでしまう可能性があるでしょう。

短い期間だけ塗装の効果が現れればよいケースや、とにかく費用を抑えたいケースは、アクリル塗料がおすすめです。塗装の状態を維持するなら、高頻度で塗り替えなければいけないため、トータルコストの確保を考慮する必要があります。

ウレタン

ウレタン塗料は、ウレタン樹脂が主成分となっており、硬化剤と組み合わせてつくられた塗料です。柔らかい質感で密着性が高いため、木材だけではなく、金属やプラスチックなど、さまざまな箇所に使えます。

外壁だけではなく、家具の塗装にも用いられているケースが多いです。万能な塗料でありながら、費用を抑えられ、耐用年数も期待できます。性能と費用のバランスがよい塗料としても知られているため、どちらも重視したい方におすすめです。

ただし、ほかの塗料と比べると、耐久性が高くない点がデメリットです。アクリル塗料と同じく、耐久性を維持するなら高頻度で外壁塗装を行う必要があるため、ほかの塗料よりもトータルコストがかさむ可能性があります。

さまざまな素材になじむ塗料を選びたい方や、費用を抑えたい方は、ウレタン塗料がおすすめです。耐久性に着目するとグレードは低いですが、環境や立地によっては、通常の耐用年数よりも長く性能が発揮される可能性があります。

シリコン

シリコン塗料は、シリコンが含まれている合成樹脂を主成分としてつくられた塗料です。多くのメーカーで出されている塗料で、現在はさまざまな塗料のなかでも、もっとも外壁塗装に使われているものとして知られています。

汚れが付きにくく、汚れが付いても落ちやすい性質を持っており、紫外線にも強い点がメリットです。外壁は直接雨風や紫外線にさらされる場所であるため、外部の影響を考慮するならシリコンがおすすめです。

高性能でありながら、費用を抑えられる点が魅力です。シリコン塗料を製造しているメーカーはさまざまで、商品のバリエーションが豊富であるため、外壁の色にこだわりがある方に適しています。

ただし、塗膜が硬くなってひび割れが起こる可能性があり、性能を発揮させるには重ね塗りに関する高い技術が必要です。シリコン塗料が一概によいとはいえず、シリコンの含有量によって性能が左右するため商品選びが大切です。

どの塗料を選べばよいかわからない方や、性能と費用のバランスがよい塗料を選びたい方は、シリコン塗料が適しています。メーカーや商品によって、性能や耐久性が異なるため、シリコン塗料のなかでも適した商品を選ぶのがポイントです。

フッ素

フッ素塗料は、フッ素樹脂が配合されている塗料です。耐久性が高く、グレードの高い塗料に分類されています。一般住宅はもちろん、ビルやマンションなどの大型建造物の外壁塗装にも用いられています。

耐久性が比較的優れているため、頻繁に塗り替える必要はありません。1度の塗装で高い費用がかかりますが、塗り替える回数によっては、ほかの安価な塗料よりもトータルコストを抑えられる可能性があります。

また、塗膜を硬くして紫外線に強い塗装が行えるため、外壁だけではなく、シャッターの塗装にもおすすめです。外壁とシャッターを一緒に塗装したい場合は、業者に対応可能か相談してみるとよいでしょう。

ただし、ほかの塗料と比べると、1度の施工で高い費用がかかる点がデメリットです。フッ素塗料で長持ちさせたいときは、一定額以上の予算を想定しておく必要があります。

無機

無機塗料は、前述した塗料のなかでもっとも耐久性に優れている塗料です。主成分として用いられている無機物の樹脂は、紫外線や雨風の影響を受けにくい特徴を持っています。

耐久性が高い分、長期間にわたって美しい外観を維持できる点がメリットです。高頻度で塗装する必要がないため、塗装のたびに近隣に配慮したり、時間を確保したりする手間が省けます。

無機塗料は有機塗料と比べると、ひび割れしやすい点がデメリットです。しかし、無機と有機成分をハイブリッド化した塗料は、ひび割れしやすいデメリットをカバーして、柔軟性のある塗膜を形成できます。

無機塗料と有機塗料のよさを取り入れると、カビや藻などが発生するのを防げます。性能が高い分、1度の施工で高い費用がかかるため、十分な予算を用意しておく必要があるでしょう。

各塗料の耐用年数と費用

外壁塗装に使う塗料の種類によって、耐用年数や費用が異なるため、求める性能と予算のバランスを見極める必要があります。ここでは、外壁塗装に使う各塗料の耐用年数と費用の目安をご紹介します。

耐用年数

外壁塗装に使う塗料の耐用年数は、種類によって幅がさまざまです。アクリル塗料の耐用年数は、3〜8年ほどが目安です。比較的耐久性が低いため、定期的に塗り替える必要があります。

ウレタン塗料の耐用年数は、4〜10年ほどが目安です。アクリル塗料よりも耐用年数が長いものの、塗料の種類のなかでは耐久性が劣っているため、アクリル塗料と同じように約10年に1度のペースで塗り替える必要があります。

シリコン塗料の耐用年数は、8〜15年ほどが目安です。アクリル塗料やウレタン塗料と比べて耐用年数が長く、シリコン塗料を扱っているメーカーは多いため、商品によって耐用年数も幅があります。

フッ素塗料の耐用年数は、13〜20年ほどが目安です。アクリル塗料やウレタン塗料、シリコン塗料と比べると、比較的耐用年数が長いため、塗り替える頻度は少なく済みます。

無機塗料の耐用年数は、20〜25年ほどが目安です。塗料のなかではグレードが高く、耐久性が比較的優れているため、頻繁に塗装する必要はありません。

外壁塗装以外に、住宅はさまざまな箇所をメンテナンスする必要があります。耐用年数が長い塗料は魅力的ですが、ほかのメンテナンス時期と合わせづらくなるため、外壁塗装以外と外壁塗装のみのメンテナンス時期が分かれる可能性があります。

費用

外壁塗装に使う塗料は、種類によって費用が異なります。アクリル塗料の費用は、1㎡あたり1,000円〜1,300円ほどが目安です。さまざまな種類の塗料があるなかで、もっとも費用を抑えられるため、塗装面積が広く費用を抑えたい場合に適しています。

ウレタン塗料の費用は、1㎡あたり1,200円〜1,900円ほどが目安です。アクリル塗料よりも多少高くなりますが、1㎡あたり1,000円台におさめられるケースが多いため、安く施工してもらいたい方に適しています。

シリコン塗料の費用は、1㎡あたり1,800円〜2,000円ほどが目安です。性能が優れていますが、1㎡あたりの費用を抑えられるため、費用を抑えながら耐久性も重視したい場合に適しています。

フッ素塗料の費用は、1㎡あたり3,000円〜4,500円ほどが目安です。安価なアクリル塗料と比べると、1㎡あたり3倍以上の費用がかかりますが、耐久性が非常に優れているため、1度の施工で美しい見た目を維持できます。

無機塗料の費用は、1㎡あたり4,000円〜5,500円ほどが目安です。本記事でご紹介した塗料のなかでもっともグレードが高く、価格が安いアクリル塗料と比較すると、1㎡あたり4倍〜5倍ほどの費用が必要です。

塗料の分類

外壁塗装に使う塗料は、さらに水性塗料と油性塗料、1液型と2液型に分類されます。ここでは、外壁塗装に使う塗料の分類について、水性塗料と油性塗料、1液型と2液型に分けて解説します。

水性塗料と油性塗料

外壁塗装に使う塗料は、水性塗料と油性塗料に分類され、メリットとデメリットを比較したうえで選ぶのがポイントです。水性塗料は、シンナーを混ぜずに使えるため、素人でも取り扱いやすいです。

ホルムアルデヒドの発散が非常に少ない製品が多く、人体への影響を心配する方に適しています。シンナーを使わない分、費用を抑えられ、引火の危険性や臭いがない点がメリットです。油性塗料と比べると、使用期限が長いのも特徴のひとつです。

ただし、水性塗料は、乾く前に雨が降ると、溶けて流れてしまいます。乾燥させるのに十分な時間を確保しなければいけないため、天候を考慮しながらスケジュールを立てる必要があります。

油性塗料は、水性塗料と比べて気温の影響を受けにくいため、乾燥時間を短縮できる点がメリットです。水性塗料と大きな差はありませんが、密着性が高く、耐久性や耐薬品性、耐摩耗性に優れています。

金属や塩ビニルとの密着度も高いため、外壁部分だけではなく、外壁周りの建材も一緒に耐久性を高めたい場合におすすめです。光沢性にも優れているため、光沢感のある見た目に仕上げたい方にも適しています。

ただし、油性塗料は、シンナーの臭いや引火の危険性があります。消防法上、危険物に該当するため、取り扱いには十分に注意が必要です。

1液型と2液型

外壁塗装に使う塗料は、1つの缶にまとまっている1液型と、主剤と硬化剤で2つの缶に分かれている2液型があります。1液型は、すでに主剤のなかに適量の硬化剤が混ざっているため、2つの素材を混ぜる手間がかかりません。

開封して、水またはシンナーで薄めればそのまま使えるのが魅力です。ただし、硬化剤がすでに混合されているため、保管期間中に硬化して徐々に固まり、十分な耐久性が発揮されないおそれがあります。

1液型の保管期限は、製造日から3か月〜1年以内とされています。金属部分に塗装できない商品が多いため、1液型を望んでいても場合によっては2液型をすすめられる可能性があるでしょう。

2液型は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせてから、水またはシンナーで薄めて使う塗料です。塗装する直前で混ぜ合わせるため、より丈夫な塗膜がつくれ、耐久性の高い外壁塗装を実現します。

耐久性が高い分、1液型では塗装できない金属部分にも塗装が可能です。主剤と硬化剤が分かれており硬化反応が起こるのを防げるため、直射日光を避けて保管すれば、1液型よりも長い期間保管できます。

ただし、2液型は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせると同時に硬化反応が起こるため、0.5時間〜8時間以内を目安に使い切る必要があります。主剤と硬化剤の配合割合は商品によって定められているため、取り扱い方に注意が必要です。

外壁塗装の工法

外壁塗装の仕上がりを左右する要素は、塗料の種類だけではなく、工法も含まれます。ここでは、外壁塗装の工法について、3つの方法の特徴を解説します。

刷毛塗り

刷毛塗りは、刷毛を使って外壁塗装を行う方法です。手作業で塗装を行うため、面積が小さい部分や細かいところも、塗り残しなく施工できる点がメリットです。

機械を使って塗装する方法と比べると、騒音トラブルに発展する可能性が低く、塗料が飛散するおそれがほとんどありません。近隣との距離が近い場合は、職人の手作業による刷毛塗りで、近隣トラブルに配慮する選択を取るとよいでしょう。

ただし、刷毛塗りだと、力加減を均一に塗るのが難しいため、塗りムラができやすい点がデメリットです。機械を用いて塗装するよりも時間がかかるため、全面を刷毛塗りで外壁塗装すると、施工期間が長引いてしまいます。

ローラー塗り

ローラー塗りは、ローラーを転がしながら塗装する方法です。手作業で塗装する際、刷毛塗りよりもローラー塗りのほうが一般的な塗装方法として知られています。刷毛よりも塗装できる面積が広いため、手作業で広い面積を塗装しなければいけない場合におすすめです。

刷毛塗りと同じく、機械を使わずに手作業で塗装するため、騒音を気にせずに施工を進められます。塗料が近隣に飛び散る可能性も少なく、近隣トラブルを懸念する方に適しています。

デメリットも刷毛塗りと同じく、塗りムラが起こりやすいです。ローラーでは塗れない細かい段差や、近隣に面していない側の外壁は、刷毛や機械を使うなど、さまざまな道具を活用するのがおすすめです。

吹き付け塗装

吹き付け塗装は、機械を使って塗料を放射状に塗装します。塗料を均一に放射できるため、手作業よりも広範囲かつムラなく仕上げられる点がメリットです。吹き付け塗りなら、面積が広くてもスムーズに塗装を進められるため、施工期間を短く抑えられます。

施工期間を短縮できるだけではなく、少数人で完結できるケースが多く、費用も削減できる可能性があります。低コストかつ短期間で外壁塗装を済ませたい場合は、吹き付け塗装がおすすめです。

ただし、機械から塗料を放射する際、塗料が周囲に飛散しやすい点がデメリットです。機械から出る騒音により、近隣への迷惑も考慮しなければいけないため、近隣との距離が近い集合住宅では手作業での塗装が行われるケースがあります。

こちらの記事では、外壁塗装をするメリットについて解説しています。行わないリスクや依頼する流れも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

適切な塗料を選ぶためのポイント

外壁塗装を行う予定がある方のなかには、どの種類の塗料を選ぶべきか迷っている方もいるでしょう。ここでは、外壁塗装で適切な塗料を選ぶためのポイントを3つご紹介します。

目的や環境を考慮する

外壁塗装で使う塗料を選ぶ際、目的や環境を考慮したうえで、適切なものを選びましょう。外壁塗装を行う主な目的は、建物を雨風や紫外線から守ることです。とくに、何から守りたいか明確にすれば、塗料を選ぶときの判断材料になります。

たとえば、直射日光を浴びる時間が多い環境の建物なら、紫外線に強い塗料がおすすめです。多湿な環境の建物の場合、カビや藻の発生を防止できる塗料を選ぶのがポイントです。隣家からの火事が不安な方は、防火対策ができる塗装が適しています。

目的や環境に適した塗料を選べば、結果的に建物の寿命を延ばして、家族みんなが快適に暮らせる住まいを実現できます。予算内で外壁塗装を行うのも大切ですが、トータルコストと性能のバランスを見極めるのがポイントです。

外壁塗装全体にかかる費用を計算する

外壁塗装を依頼する際、塗料の費用だけではなく、施工全体にかかる費用を計算しておきましょう。塗料の費用のほか、作業の人件費、足場代、外壁の補修費、養生費、諸費用などがかかります。

外壁塗装全体にかかる費用は、10坪(40㎡)20万円〜40万円ほど、20坪(79㎡)が40万円〜70万円ほど、30坪(119㎡)が60万円〜100万円ほど、40坪(158㎡)が80万円~130万円ほどが目安です。

50坪(198㎡)は100万円~160万円ほど、60坪(238㎡)は120万円~200万円ほど、70坪(277㎡)140万円~230万円ほど、100坪(396㎡)は200万円~320万円ほどの費用がかかります。

30坪の住宅を外壁塗装する場合の内訳例は、足場代が150,000円、高圧洗浄の費用が35,700円、養生費が35,700円、飛散防止ネット代が11,900円、シーリングが83,300円、塗装代(シリコン塗料)が357,000円、廃棄物処理代などが20,000円となります。

合計金額は693,600円となり、最低相場より少し高くなる計算です。使用する塗料の種類だけではなく、業者によって足場代や養生費などが異なる価格で設定されているため、参考程度で予算を決めるとよいでしょう。

業者に相談する

外壁塗装を行いたいものの、知識がなくどの塗料を選べばよいかわからない方は、まず業者に相談するのがおすすめです。専門知識を持っている業者なら、性能や予算などさまざまな観点からおすすめの塗料を提案してくれます。

業者に相談するときは、はじめから1つの業者に絞らずに、相見積もりするつもりで相談するのがポイントです。万が一、高額の見積もりとなっても、相見積もりにより比較して事前に気付ける可能性があります。

適切な塗料は何か相談するとともに、相性のよい業者探しのために複数の業者に相談しましょう。住宅のメンテナンスにおいて、今後長い付き合いが続くため、親身になって相談に乗ってくれる業者選びが大切です。

塗鈑瓦屋では、外壁塗装で使用する塗料や住宅の大きさごとに料金を設定しております。施工箇所の状況を確認しながらお見積もりもいたしますので、ぜひご利用ください。

まとめ

外壁塗装に使う塗料の種類によって、耐用年数や費用の目安、性能が異なります。とにかく費用を抑えたいならアクリル塗料やウレタン費用、性能を重視したいならフッ素塗料や無機塗料がおすすめです。

性能と費用のバランスを見極めたいなら、シリコン塗料が適しています。目的や環境によって適している塗料が異なるため、どの塗料を使うべきかわからない方は、業者に相談しましょう。

塗鈑瓦屋は新潟市を中心に外壁塗装や屋根塗装を行う塗装・板金業者です。さまざまな下地に適した塗料を取り揃え、職人としての目線からお客様の住宅にとってよりよい工法をご提案いたします。

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