外壁塗装の費用相場を紹介!内訳や安く抑える方法は?
外壁塗装の費用相場は、使用する塗料の種類や色の数、塗装する面積によって異なります。外壁塗装の依頼を検討している方は、どれくらいの費用がかかるのかを知って、複数の業者に見積もりを依頼することがポイントです。
そこで本記事では、外壁塗装の坪数別の費用相場をはじめ、内訳、支払うタイミング、支払い方法について解説します。そのほか、費用を抑えるためのポイントもお伝えします。
外壁塗装の費用を左右する要素
外壁塗装は、どのような塗装を使用するのか、雨どいなどの付帯物がいくつあるのかなどによって費用が左右するため把握しておきましょう。ここでは、外壁塗装の費用を左右する要素を7つご紹介します。
塗料の種類
外壁塗装に用いる塗料は種類がさまざまです。塗料によって用途や性能、耐用年数が大きく異なります。
アクリルやウレタンは、安価な塗料として知られており、塗装費用を安く抑えられます。ただし、耐用年数はだいたい3〜10年と短いため、早いタイミングで塗り替えが必要です。
高価な塗料としてフッ素や無機塗料が挙げられ、フッ素の耐用年数は15年〜20年ほど、無機は20年以上で高い耐久性を持ちます。
上記の間に位置するのがシリコンとラジカル塗料で、価格帯も高すぎないうえ、耐用年数も10年〜15年ほどと性能も整っています。そのため、コストパフォーマンスの高い塗料といわれており人気です。
塗料の価格が高ければ高いほど、その分外壁塗装の費用は高くなります。外壁塗装をする際は、何を優先するかを考えて塗料を選ぶ必要があります。
塗装に使用する色数
外壁塗装に用いる塗料の種類だけではなく、使用する色の種類が多ければ多いほど費用が高くなる傾向にあります。1色のみで塗装する場合は、色を使い分けたり、塗り分けたりする手間が省けるため費用を抑えられる可能性があります。
一方で、2色以上の塗料を用いる場合は、デザインを考慮しながら作業を進める必要があるため、塗料の本体代とは別にデザイン料や技術料などがかかるケースがあるためです。アクセントカラーを部分的に入れるときも同じように、費用が高くなる可能性があります。
外壁の素材
外壁に使われている素材によっては、塗装の費用が高くなるケースがあります。たとえば、サイディングや軽量気泡コンクリートの場合は、外壁に目地があるため、劣化状態に合わせて補修を行わなければいけません。
一方で、モルタルのような目地がない素材を使った外壁の場合は、コーキングを補修する必要がありません。そのため、コーキングの補修を行わなければいけない外壁と比較すると、外壁塗装にかかる費用を抑えられます。
外壁の劣化状況
塗装する外壁の劣化状況によっては、補修してから塗装する必要があるため、補修にかかる費用が加算されてしまいます。外壁塗装の見積もりを依頼するときは、補修に関する項目があるか、必ず補修をしなければいけないのかなどのポイントを確認しましょう。
外壁の劣化状況として、チョーキング・ひび割れやコーキング割れ・穴や傷・コケや藻・サビなどが挙げられます。各補修にかかる費用相場は以下のとおりです。
- 塗装剥がれ:1,700~5,000円ほど
- チョーキング:1m2あたり1,900~5,500円ほど
- ひび割れ:1か所1万円〜10万円ほど
- コーキング:1mあたり900円〜1,200円ほど
- 穴や傷:1か所1万円〜6万円ほど
- コケや藻:1m2あたり200円〜500円
- サビ:1m2あたり500円~2,000円ほど
修正箇所が多ければ多いほど、外壁塗装にかかる費用も高くなります。
建物の階数
外壁塗装を行う建物の階数が多いほど、塗装にかかる費用が高くなります。建物の階数が増えると、塗装前に組み立てなければいけない足場の量が増えたり、塗装する外壁の面積が増えたりするため、自然と費用が高くなりやすいです。
外壁塗装に大切なのは、足場といっても過言ではありません。どんなに高品質な塗料を用いていても、適切な場所に足場を組み立てられていなければ、塗り残しや作業員の怪我などにつながるおそれがあります。
また、業者のなかには足場を低価格で設定しているところがありますが、外壁塗装に悪影響がないのか確認することが大切です。適切な足場の設置は、高品質な外壁塗装につながるため、建物の階数が多いほど重視すべき点です。
塗装面積(坪数)
外壁塗装にかかる費用は、塗装する面積が大きいほど高くなります。1坪3.3m2で計算した坪数ごとの目安となる塗装面積は、20坪が73~112m2、30坪が109~168m2、40坪で145~224m2、50坪が182~281m2、60坪が218~337m2です。
外壁の塗装をする場合坪数別の費用相場を参考にするときは、1階と2階などの各階の床面積を合わせた延べ坪を参考にします。1階が20坪で2階が10坪の場合は、30坪の建物にかかる外壁塗装の費用相場をチェックしましょう。
付帯物の数
外壁塗装を行う建物に付帯物がいくつあるのかによって、費用が左右されます。外壁の付帯物には、シャッターボックスや換気フード、雨戸、雨どい、破風板、笠木などがあります。
塗料のランクが低かったり、平屋で塗装する面積が小さかったりする場合でも、付帯物がたくさんあると、塗装面積が大きい建物よりも高い費用がかかる可能性があります。付帯物の数によってどの程度費用が左右するのか、見積時に確認してみましょう。
外壁塗装の費用相場
外壁塗装にかかる費用相場は、90万円〜150万円ほどです。坪数別の費用相場は、20坪が40万円~95万円ほど、30坪が60万円~130万円ほど、40坪が80万円~140万円ほど、50坪が100万円~160万円ほど、60坪が120万円~175万円ほどとなっています。
同じ塗装面積でも、外壁の補修の有無や塗料の種類などによって費用が変動しやすく、住宅ごとに費用は大きく異なります。
外壁塗装の費用内訳
外壁塗装では塗料の本体代だけではなく、足場を組み立てたり、外壁を補修したりするのにも費用がかかります。ここでは、外壁塗装にかかる費用の内訳について4つの項目に分けてご紹介します。
足場代
外壁塗装にかかる費用のうち、足場代にかかる費用は全体の20%ほどです。足場は建物の周りに建てて作業を行うための重要な役割を果たし、安全に作業を行うには適切な場所に設置する必要があります。
作業員の安全を守る以外に、外壁の洗浄や下地処理、塗装作業を適切に行うためにも重要です。塗料が飛び散ったり、塗り残したりするのを防ぐ役割もあるため、外壁塗装できれいに仕上げられることにつながります。
また、足場にかかる費用は、1m2の単価と実際の面積をもとに算出されます。具体的には、足場の外周の長さと高さから面積が算出され、費用相場は1m2あたり600円〜800円ほどです。
一般的には、足場代のなかに組み立てだけではなく、解体にかかる費用や運搬費用なども含まれています。見積金額とは別にあとから別途費用を請求するケースがあるため、業者選びには注意しましょう。
塗料・材料代
外壁塗装には、塗料や下地調整材、ローラー刷毛などの材料代がかかります。塗料や材料代は、外壁塗装にかかる全体的な費用の20%ほどです。
外壁塗装に用いられる塗料は、耐久年数が長いほど費用が高くなる傾向にあります。一般的には、アクリルやウレタン塗料は耐久性が低いため比較的安価であり、フッ素や無機塗料は耐久性が高いため価格が高いです。
さらに、同じ種類の塗料のなかでも、グレードによって費用が変動します。標準で使用されている水性の1液タイプがもっともグレードが低く、強溶剤の2液タイプがもっともグレードが高いです。
塗料のグレードは5種類に分けられているケースがほとんどであり、塗料選びの参考にするとよいでしょう。一般的に耐久性が高いといわれている種類の塗料でも、グレードを下げることで、費用を抑えられる可能性があります。
工事代
外壁塗装にかかる工事代とは、塗装を行う準備から完了までの作業にかかる費用です。外壁塗装にかかる全体の費用の30%ほどを占めており、ここでいう工事代には人件費も含まれています。
外壁塗装の工事代には、塗装だけではなく、洗浄や養生などが含まれます。たとえば、飛散防止ネットが1m2あたり120円〜400円ほど、高圧洗浄が1m2あたり200円〜450円ほど、養生が1m2あたり200円〜400円ほどです。
そのほか、諸経費や現場管理費が1式30,000円〜50,000円ほど、廃材処理費などが1式10,000円〜30,000円ほどかかります。工事期間が短ければ、その分数日間職人を雇う必要がなくなるため、人件費の削減にともない工事代の削減につながるでしょう。
その他
外壁塗装には、塗料や工事代などのほかに、交通費や工事を行うための許可を取得するための費用などの費用もかかります。外壁塗装におけるその他の費用は、全体の30%ほどを占めています。
外壁塗装の会社から現場までの距離が遠ければ遠いほど、交通費が高くなるため、どの業者を選ぶのかがポイントです。自宅に車をとめられるスペースがない場合は、コインパーキングなどを利用するための駐車場代も加算されます。
外壁塗装の支払いに関する知識
外壁塗装を行う前に、どのタイミングで費用を支払うのか、現金以外に支払う方法があるのか、などのポイントを確認しておくとよいでしょう。ここでは、外壁塗装の支払いについて解説します。
支払うタイミング
一般的な外壁塗装の費用を支払うタイミングは、施工完了後に全額を支払う、施工前に半分・施工完了後に残金を支払う、施工前・施工中・施工完了後の3回に分けて支払う、施工前に全額を支払う場合の4つのパターンがあります。
全額を施工完了後に支払う場合は、費用の持ち逃げや施工途中の放棄などの心配がありません。業者にとっては費用をすべて回収できない可能性があるため、この支払いタイミングを提案する業者は顧客のメリットを優先しているといえるでしょう。
施工前・施工完了後、施工前・施工中・施工完了後など、複数回に分けて費用を支払う場合、1度に全額を用意する必要がありません。業者にとっても、一部を前払いされている状態のため、全額を回収できないというリスクをカバーできます。
施工前に全額を支払う場合は、先に支払いへの煩わしさを解消できるメリットがありますが、業者によっては持ち逃げや手抜き工事のおそれがあります。この支払いタイミングは、悪徳業者で提案されることが多いといわれているため、注意が必要です。
支払い方法
外壁塗装の支払い方法によっては、実際に支払う費用が増えるケースがあるため、そのときの状況に合わせて適切な方法を選択するのがポイントです。ここでは、外壁塗装の支払い方法を3つご紹介します。
現金払い
現金払いは、ローンのように利息がつかない支払い方法です。余分な費用を支払いたくない方や、貯金額に余裕がある方などにおすすめです。ここでいう現金払いは、銀行振り込みも含まれます。
現金払いの場合、全額を一括で支払ったり、複数回に分けて支払ったりと、支払うタイミングを調整できるメリットがあります。ただし、手元に現金があることが条件になるため、貯金額が少ない方にとっては負担が大きい方法です。
クレジットカード
クレジットカードは、現金払いのように現金を用意しなくても、すぐに支払いを完了させられます。多くのクレジットカード会社が支払った翌月に請求するため、実質あと払いとなります。
クレジットカードで支払った場合、金額に応じてポイントが付与されるメリットがあります。結果的に少しでも安くなる可能性がありますが、クレジットカード払いに対応している業者が少ない点がデメリットです。
リフォームローン
リフォームローンは、銀行などで融資を受けて支払える方法です。費用をまとめて用意できなくても、月々返済することで利用できるため、現時点で手元にまとまったお金がなくても外壁塗装を依頼できます。
ただし、ほかの支払い方法と異なり、実際の施工費用に利息が加算されるため、支払う金額は高くなってしまいます。融資を受けるための審査も通過する必要があるため、誰でも利用できるとは限りません。
外壁塗装の費用を抑える方法
外壁塗装は、ポイントを踏まえておくことで、少しでも費用を抑えられる可能性があります。ここでは、外壁塗装の費用を抑える方法を8つご紹介します。
塗料のグレードを下げる
外壁塗装に用いる塗料の種類にこだわりがない方は、グレードを下げて費用を抑えるとよいでしょう。一般的には、ウレタンやシリコン塗料が安く、フッ素や無機塗料が高い傾向にあります。
塗料のグレードを下げることで、同じ塗装面積の建物でも、外壁塗装の総額を抑えられます。建物の階数が多かったり、塗装面積が多かったりする場合は、塗料のグレードを下げて予算内におさまるようにするとよいでしょう。
しかし、塗料の種類によっては耐久性が異なるため、長い目で見て適切な塗料を選ぶことがポイントです。グレードの低い塗料の場合は、塗装後10年以内に再塗装しなければいけないケースが予想されるため、トータルコストに着目することも大切です。
地元の業者を探す
外壁塗装を依頼する業者は、大手のハウスメーカーよりも地元でサービス提供をしているところを選ぶとよいでしょう。全国にチェーン展開している大手のハウスメーカーの場合、下請けの業者に施工依頼することとなり、中間マージンが発生してしまいます。
地元に特化した業者の場合は、見積もりから施工、アフターサービスまで自社完結できるところが多いです。その際、下請けの業者に依頼するときにかかる中間マージンが発生せず、無駄な費用を抑えられる可能性があります。
ワンストップ業者に依頼する
ワンストップ業者とは、一連の工程をすべて一括して依頼できる業者のことです。工程によって依頼する業者を変える必要がなく、下請けの業者への依頼にかかる中間マージンなどの上乗せがありません。
ワンストップ業者には、各工程に詳しい知識を持った担当者や職人が在籍しています。外壁塗装を依頼するうえで、ただ色を塗るだけではなく、耐久性や安全性、現在の外壁の劣化状況などについて相談しやすいです。
また、下請けの業者とのやり取りが省かれるため、費用を抑えられると同時に、スムーズに施工を進められるメリットがあります。施工期間を短縮できれば、その分人件費も削減でき、外壁塗装にかかるトータルコストを抑えられます。
相見積もりを取る
外壁塗装の費用を抑えるには、複数の業者に見積もりを依頼して、同じ条件でもっとも価格が安いところを選ぶことがポイントです。はじめから1社のみに絞ってしまうと、外壁塗装にかかる費用の目安を把握しづらいです。
その場合、相場よりも高い見積もりを提示されても、疑うことなくそのまま契約してしまうケースがあります。そのため、塗装面積や塗料の種類などの条件をそろえたうえで、最低でも3社に見積もりを依頼するとよいでしょう。
梅雨の時期や冬に依頼する
外壁塗装にも、価格を安く設定している時期があります。とくに、梅雨や冬の時期は雨や雪などにより契約数が減ってしまう傾向にあるため、キャンペーンや割引などで価格を安く設定している業者もあります。
また、費用を抑えられるだけではなく希望する日程を押さえやすく、施工にじっくり時間をかけられます。ただし、工期を短くしたい場合、この時期は避けましょう。
雨や雪の日は足場の組み立てなど塗装以外の作業はできますが、塗装工事自体はできないため、雨によって施工期間が延びることを考慮する必要があります。
一緒に外壁と屋根の塗装を依頼する
外壁だけではなく、屋根塗装も検討している場合は、一緒に依頼することで費用を抑えられます。外壁塗装と屋根塗装は、どちらも足場を組む必要があるため、それぞれに足場代がかかってしまいます。
外壁と屋根の塗装を一緒に依頼すると、足場の組み立てを1度で済むため、1回分の足場代の節約が可能です。
さらに、ベランダ塗装も一緒に依頼すると、2回分の足場代を節約できます。外壁塗装だけではなく、この先屋根塗装やベランダ塗装などの別か所の塗装を予定している場合は、すべてまとめて対応してもらうことがおすすめです。
現金で支払う
外壁塗装の費用を抑えるにはローンを利用せず、支払い方法を現金にすることがおすすめです。ローンを利用して支払う場合、利息が発生するためトータルの支払金額が増えてしまいます。
一方で、現金で支払う場合は利息が一切発生しません。施工前・施工中・施工完了後の複数回に分けて支払うなど、支払いのタイミングも調整しやすく、必ずしも1度に全額を支払わなければいけないというわけではありません。
助成金を活用する
施工を行う建物がある市区町村によっては、外壁塗装を対象に助成金を支給しているところがあります。各自治体で助成金の有無や内容が異なるため、まずは助成金制度があるかを確認してみましょう。
ただし、誰でも助成金を活用できるとは限りません。助成金制度によっては、断熱効果のある塗料などの環境への配慮を示すことで、助成金を受け取れるものがあります。自治体のホームページなどで、助成金制度の利用条件を確認してみるとよいでしょう。
まとめ
外壁塗装の費用相場は、建物の階数や塗装面積、用いる塗料によって左右します。耐久性の高い塗料は高くなる傾向にありますが、適切なグレードを選ぶことで費用を抑えられる可能性があります。
また、外壁塗装の費用を安く抑えるには、地元の業者に依頼したり、屋根などのほかの塗装も一緒に依頼したりすることがポイントです。交通費を節約できる、1度の足場の組み立てで複数の施工が完了するなどのメリットがあります。
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